首都圏4000万人の生活と経済活動を支える物流拠点、東京港。その混雑問題は日本全体の物流効率に影響すると言っても過言ではない。足元の荷動きは減少しているとはいえ、輸入過多とキャパシティーの不足という構造的要因は残る。これに対して、東京港関係者は混雑緩和に向けてハード・ソフトの両面で取り組みを続ける。一方で、インランド(内陸)デポの利用が広がり、内陸部で港湾機能を代替する取り組みが本格化してきた。(3面に関連記事)
■五輪対策へ総動員
1998年から国内コンテナ港湾で取扱個数首位を維持する東京港の場合、輸入コンテナの物量が輸出の倍に達し、生活物資、食品、機械類などを海外から受け入れる一大輸入拠点に成長した。物量が把握しやすい輸出貨物と異なり、輸入貨物は荷主がいつ引き取りに来るか不確定な要素が多く、いきおいコンテナヤード(CY)内の蔵置期間は輸出よりも長期となる。このことが、近年東京港周辺で交通混雑を引き起こす主要因となってきた。
もちろん、東京港の関係者も手をこまぬいてきたわけではない。国内港湾で初のコンテナターミナル早朝ゲートオープンをはじめ、混雑解消に向けた取り組みが継続的に実施されてきた。そして、東京五輪開催を見据え、大会期間中の深夜ゲートオープンをはじめとする五輪対策が総動員されようとしている。
こうした施策と並行し、各ターミナルを運営する港運事業者(ターミナルオペレータ)各社は創意工夫で生産性、効率性の向上に地道に取り組む。昼休み時間帯のゲート作業継続実施をはじめ、輸出コンテナを搬入したコンテナ車両に、輸入コンテナを受け渡す「おろし取り」を促進するターミナルもある。
五輪対策を旗印に施策メニューが拡充された交通混雑への対応だが、東京港がこれからも国内で枢要なコンテナ港湾として機能し続けるために、混雑問題の改善に向けた取り組みは不断の営みであり続ける。各ターミナルが日々どのような改善策を手掛けているか、その総合力がこれからの東京港の進路を左右する。
■内陸デポで負荷分散
内陸部ではデポの重要性が増している。もともと北関東では内陸デポは税関やフォワーダーが常駐する内陸通関拠点として利用されていた。それが規制緩和などで成田空港周辺でフォワーダーの上屋建設が進んだ上、リーマン・ショック後に取扱量が低迷。内陸デポで運営主体が変わらず残ったのは太田国際貨物ターミナル(OICT、群馬県太田市)だけとなり、OICTは輸入に使った後の空コンテナを輸出に転用するラウンドユース(CRU)などに力を入れてきた。
CRUは長くその必要性が指摘されながら本格化には程遠い状況が続いていたが、2010年代に入って広がりを見せてきた。クボタなどが主導し荷主、ドレージ(海上コンテナ運送)事業者など関係者を巻き込む仕組みを構築したが、鍵になったのはトラック会社だ。
現在、北関東に点在する内陸デポの多くの運営主体はトラック事業者となっている。CRUはドレージを効率化できる半面、荷役機器への投資を含めデポの運営コストなどがかかる。その負担を吸収できるのはトラック会社ということになる。輸出入のマッチングに必要なコンテナ情報にも精通する。
荷主やフォワーダー・通関業者などのCRUに対する見方も変わってきた。以前は主にドレージ料金の合理化手段として注目されていたが、東京港の混雑の深刻化に伴い、物流の安定化を求めてCRUを活用するようになっている。
船社の意識も変化している。船社にとってCRUは内陸部で空コンテナが滞留するリスクになるとも言える。それが、営業ツールの一つに位置付ける船社も増えてきた。
内陸デポへの需要は多様化している。五輪を視野に、これまで港湾に滞留していた輸入コンテナの内陸部での保管需要が拡大しているという。船社と協力しCY機能を整備する動きもあり、京浜港の負荷を分散する受け皿としての役割が期待されている。
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本紙では、東京港の各ターミナルで運営の効率化に向け日々現場でどのような取り組みをしているか、また、時代の変化に対応しながら港湾物流機能を補完する内陸デポの現況について、それぞれ随時連載します。
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March 24, 2020 at 03:56PM
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【港湾混雑に挑む】「輸入港の宿命」克服を|日本海事新聞 電子版 - 日本海事新聞
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